はじめに
概要
あく・はがねタイプの存在や、優先度の高い高火力技の台頭を受けて、メガ進化を獲得したにもかかわらず、存在感が乏しかったフーディン。最近は、まもしばアンコ・BS特化型等、強い形のフーディンも開発されてきており、フーディン好きとして嬉しい限りです。
ただし、第一世代をやりこんだ身として、フーディンにはやはり「最強」であって欲しい。サメみたいなドラゴンや、カンガルー親子、焼き鳥なんかに負けてほしくない。今回の記事では、グローバルリンク(Pokémon Global Link)で集計されている環境の上位ポケモンに対して、メガフーディンとの対面時の火力指数と耐久指数を計算し、勝ち筋と共通項を検討しました。
メガフーディンについて
フーディンがメガ進化したポケモン。特性はトレース。圧倒的な特攻と素早を持ったポケモンです。
HP | 攻撃 | 防御 | 特攻 | 特防 | 素早 |
55 | 50 | 65 | 175 | 95 | 150 |
検討の進め方
対面と技・もちものを固定し、努力値・性格をパラメータとした時の確定数を可視化し、勝ち筋のある構成があるかどうかを検討していきます。(具体的に努力値をいくつ割り振ればよいか?は次ステップであり、本記事では省略させていただきます)
なお、検討には以下グラフを主に使っていきます。
グラフでは、縦軸に攻撃側の火力指数を、横軸に防御側の耐久指数をとり、ポケモンの組み合わせと技ごとに確定数がどのように変わるかを可視化しています。軸の最小値は無振り(性格補正なし)で、最大値は全振り(性格補正あり)です。
上の例でいえば、
- ガブリアスの耐久が無振りであれば、メガフーディンがどのような努力値の配分であろうと、サイコキネシスで確定2発
- 防御に全振り(H252D252)+性格補正ありの場合はメガフーディンの調整次第で乱数3発~確定3発
となることを示しています。
火力指数や耐久指数の意味や計算方法については、wiki(ポケモン第六世代(XY・ORAS)・対戦考察まとめWiki – トップページ)を参考にしました。
VSガブリアス考察
全ての能力が高く、タイプ一致威力120のげきりん、100のじしんを使います。スカーフやタスキ・ハチマキと合わせて使うのがメジャーなようです。
ステータス
HP | 攻撃 | 防御 | 特攻 | 特防 | 素早 |
108 | 130 | 95 | 80 | 85 | 102 |
わざ
1 じしん 99.8%
2 げきりん 91.3%
とくせい
1 さめはだ 98.3%
せいかく
1 ようき 64.0%
2 いじっぱり 34.5%
もちもの
1 こだわりスカーフ 36.1%
2 きあいのタスキ 28.1%
3 こだわりハチマキ 14.6%
与ダメ計算
サイコキネシス
ガブリアスが耐久に振っていなければ確定2発。
マジカルシャイン
弱点をつけますが、やはり確定2発。
めざめるパワー(こおり)
4倍弱点。フーディン次第で確定1発もありえる。
被ダメ計算
げきりん
耐久に振っておかないと1発でダウン。2耐えは不可能。
じしん
耐久に振っておかないと1発でダウン。2耐えはほぼ不可能。
げきりん(こだわりハチマキ)
火力に努力値を振られていた場合、1耐えすら不可能。
じしん(こだわりハチマキ)
HBに全努力値を振り、性格を防御にした条件でぎりぎり1耐え。現実的には1耐え困難。
勝ち筋
スカーフ型
スカーフ型を相手にした場合、先手を取られてしまうので、相手の攻撃を1発耐えた上で、めざ氷を当てて確定1発に持ち込むか、まもる⇒1発耐えてかなしばり⇒悪あがきに持ち込むのが有力と考えられます。
項目 | 型1 | 型2 |
体力 | ○ | ○ |
攻撃 | – | – |
防御 | ○ | ○ |
特攻 | ○ | – |
特防 | – | – |
素早 | – | – |
わざ | めざ氷 | まもる・かなしばり |
◎全振り、○多め、△少なめ、-無振り
タスキ型
ガブリアスに対して先手を取れるので、相手の攻撃を1発耐えることができれば、サイコキネシス等の確2攻撃で勝つことが出来そうです。
項目 | 型1 |
体力 | ○ |
攻撃 | – |
防御 | ○ |
特攻 | – |
特防 | – |
素早 | △ |
わざ | – |
ハチマキ型
相手の攻撃を1耐えすることもできないので、先手で確一を取るしかありません。めざ氷が必須です。
項目 | 型1 |
体力 | – |
攻撃 | – |
防御 | – |
特攻 | ○ |
特防 | – |
素早 | △ |
わざ | めざ氷 |
結論:めざ氷で確1調整で勝勢
フーディンは相手の攻撃を2耐えできないので、ガブリアスがフーディンの攻撃で2耐えできてしまうと勝ち筋がありません。スカーフも考えると、相手の攻撃を1耐えした上で、めざ氷で1撃で落とす必要があります。
VSメガガルーラ考察
高い種族値から、特性おやこあいにより全ての技を威力1.5倍で放つ。わざも強力なものが揃っています。
ステータス
HP | 攻撃 | 防御 | 特攻 | 特防 | 素早 |
105 | 125 | 100 | 60 | 100 | 100 |
わざ
1 ふいうち 63.6%
2 グロウパンチ 43.0%
3 すてみタックル 42.6%
とくせい
1 おやこあい 100.0%
せいかく
1 いじっぱり 57.6%
2 ようき 22.0%
もちもの
1 ガルーラナイト 99.7%
与ダメ計算
サイコキネシス
相手の耐久によるが2~3発必要。
きあいだま
相手の耐久によるが1~2発必要。
おやこあいサイコキネシス
親子愛がトレース出来ていれば、1~2発で撃破可能。
おやこあいきあいだま
親子愛がトレース出来ていれば、ほぼ1発で撃破可能。
被ダメ計算
ふいうち
HBに全努力値を振り、性格を防御にした条件でぎりぎり1耐え。現実的には1耐え困難。
すてみタックル
1耐えもほぼ不可能。
勝ち筋
メジャータイプに対策すると考えて、ふいうち、すてみタックルがあるとします。すてみタックルを耐えることが出来ないので、親子愛トレース+気合玉で1撃で倒すほかありません。ふいうちは耐久に振って乱数で耐えるか、かなしばりで封じる必要があります。アンコールがあれば、悪あがきに持ち込むのも有効です。いずれにせよ、読み(というか運)が関わってきてしまいます。
項目 | 型1 | 型2 |
体力 | ◎ | – |
攻撃 | – | – |
防御 | ◎ | – |
特攻 | – | – |
特防 | – | – |
素早 | △ | – |
わざ | 気合玉・まもる | まもる・かなしばり・アンコール |
結論:ふいうちに対処できれば優勢
ガルーラは型が多く、対策が難しいというのがよくわかります。ふいうちがないガルーラ(全体の1/3)は親子愛気合玉で突破できそうですが、ふいうちは確定で受ける手段がなく、読みと運が必要です。
VSゲンガー・メガゲンガー考察
フーディンと似た能力値ですが、ゴーストタイプの特性やわざを使いこなす害悪系のポケモンとして猛威をふるっています。
ステータス
HP | 攻撃 | 防御 | 特攻 | 特防 | 素早 |
60 | 65 | 60 | 130 | 75 | 110 |
60 | 65 | 80 | 170 | 95 | 130 |
わざ
1 みちづれ 73.7%
2 ヘドロばくだん 68.5%
3 シャドーボール 52.7%
4 たたりめ 44.7%
とくせい
1 ふゆう 100.0%
せいかく
1 おくびょう 93.8%
2 ひかえめ 4.6%
もちもの
1 ゲンガナイト 73.0%
2 きあいのタスキ 18.0%
与ダメ計算
サイコキネシス
ほぼ確定一発。
被ダメ計算
シャドーボール
耐久に振っておけば1耐え可能。2耐えは不可。
シャドーボール(メガ)
攻撃側がCにあまり振っていなければ1耐え出来る可能性もある。
ヘドロばくだん(メガ)
1耐えは確定。耐久次第で2耐えも可能。
勝ち筋
タスキゲンガー
フーディンには連続技がなく必ず1耐えされてしまうため、フーディンがシャドーボールに耐える耐久になっていれば撃破可能です。催眠術が当たってしまうと負けです。
項目 | 型1 |
体力 | ○ |
攻撃 | – |
防御 | – |
特攻 | – |
特防 | ○ |
素早 | ○ |
わざ | サイコキネシス |
メガゲンガー
サイコキネシスを先行で打てば勝ちです。シャドーボールを耐える手も一応あります。
項目 | 型1 | 型2 |
体力 | – | ○ |
攻撃 | – | – |
防御 | – | – |
特攻 | – | – |
特防 | – | ○ |
素早 | ◎ | – |
わざ | サイコキネシス | サイコキネシス |
結論:先行でサイコキネシスが決まれば優勢
ようやくサイコキネシスが活躍できる相手です。メガに対しては素早さが勝っていること、タスキゲンガーに対してはシャドーボールに耐えられるようにしておくことが必要です。催眠術は気合でよけましょう。
VSファイアロー考察
基本的には、はやてのつばさで優先度+1の飛行技(特に威力120のブレイブバード)を打つごり押しポケモンです。
ステータス
HP | 攻撃 | 防御 | 特攻 | 特防 | 素早 |
78 | 81 | 71 | 74 | 69 | 126 |
わざ
1 ブレイブバード 99.8%
2 フレアドライブ 66.3%
3 はねやすめ 60.2%
4 おにび 39.0%
とくせい
1 はやてのつばさ 99.9%
2 ほのおのからだ 0.1%
せいかく
1 いじっぱり 63.9%
2 ようき 21.3%
3 しんちょう 13.8%
4 わんぱく 0.7%
もちもの
1 こだわりハチマキ 27.6%
2 いのちのたま 24.8%
3 ラムのみ 15.1%
4 ゴツゴツメット 11.3%
与ダメ計算
サイコキネシス
調整次第で低乱1発~確定2発。
被ダメ計算
ブレイブバード
調整次第で低乱1発~確定2発。
珠ブレイブバード
調整次第で確定1発~確定2発。
ハチマキブレイブバード
耐久にかなり振れば1耐え可能。
勝ち筋
常に相手に先制してブレバを打たれてしまうので、まずはブレバを確定耐えする必要があります。その上で、その反動ダメージとサイコキネシスのダメージで突破出来ればほぼ確定で勝てると考えられます。突破できない場合、次のブレバで負けです。どうしても勝てなければ、めざ岩が必要なのかもしれません。
項目 | 型1 | 型2 |
体力 | ○ | ○ |
攻撃 | – | – |
防御 | ○ | ○ |
特攻 | ○ | – |
特防 | – | – |
素早 | – | – |
わざ | サイコキネシス | めざ岩 |
結論:ブレバに1耐えで優勢
サイコキネシスで突破できそうな相手。先手で高火力を打ってくるというのが厳しく、耐久調整が必須です。
まとめ
4体検討したところですが、すでに共通項がありません(笑)。見ているうちに、現環境の強さがなんとなく分かってきました。フーディンを1撃で倒す物理技持ちが、スカーフや技・特性で簡単に先手を取ってくるわけです。
連中に対面から勝つためには、これらの技をなんとか1耐えし、返す刀で確定1発に持ち込む他なく、細かい技・耐久の調整が必要になってきます。
ソースコード
グラフを書いたソースコードを置いておきます。
# -*- coding: utf-8 -*- import pandas as pd import numpy as np import matplotlib.pyplot as plt import matplotlib.font_manager fp = matplotlib.font_manager.FontProperties(fname="C:\\Windows\\winsxs\\x86_microsoft-windows-font-truetype-msgothic_31bf3856ad364e35_6.0.6000.16386_none_d675cd1481ca9021\\msgothic.ttc") if __name__ == "__main__": AName = 'ガブリアス' DName = 'メガフーディン' WName = 'じしん' #攻撃側の条件 ABase = 130.0 #種族値(AorC) Indi = 31.0 #個体値 Move = 100.0 #技の威力 Comp1 = 1.5 #タイプ一致 #防御側の条件 HBase = 55.0 #種族値(HP) DBase = 65.0 #種族値(BorD) Indi = 31.0 #個体値 #攻撃・防御側の条件 Comp2 = 1.0 #タイプ相性 #火力指数 minPL = round((ABase*2 + Indi) * 50 / 100 + 5) * Move * Comp1 * Comp2 maxPL = round(((ABase*2 + Indi + 64) * 50 / 100 + 5) * 1.1) * Move * Comp1 * Comp2 PLb = np.arange(minPL, maxPL, 200) PL = PLb.reshape(PLb.shape[0], 1) #耐久指数 minBL = round((HBase*2 + Indi) * 50 / 100 + 10 + 50) * round((DBase*2 + Indi) * 50 / 100 + 5) maxBL = round(((HBase*2 + Indi + 64) * 50 / 100 + 10 + 50) * 1.1) * round((DBase*2 + Indi + 64) * 50 / 100 + 5) BLb = np.arange(minBL, maxBL, 200) BL = 1 / BLb BL = BL.reshape(1, BL.shape[0]) #ダメージ率 DMRate = np.dot(PL, BL) * 44 + 2 #確定数 AC = (np.ceil(100 / (DMRate * 0.85)) + np.ceil(100 / (DMRate))) / 2.0 CNMax = pd.DataFrame(index=PLb, columns=BLb, data=AC) fig = plt.figure(figsize=(11,6)) im = plt.pcolor(AC, cmap='gist_rainbow', vmin=1, vmax=4) cbar = fig.colorbar(im, ticks=np.arange(1, 4.01, 0.5)) cbar.ax.set_yticklabels(['確定1発', '乱数1発', '確定2発', '乱数2発', '確定3発', '乱数3発', '確定4発'], fontproperties=fp) plt.title(AName + "(" + WName + ") VS " + DName, fontproperties=fp, fontsize=20) plt.ylim(0, len(CNMax.columns)-40) plt.xlim(0, len(CNMax.index)-30) plt.ylabel("攻撃側", fontproperties=fp, fontsize=20) plt.xlabel("防御側", fontproperties=fp, fontsize=20) plt.yticks([len(CNMax.index)/1.1, len(CNMax.index)], ['補正なし', '補正あり'], fontproperties=fp) plt.xticks([0, len(CNMax.columns)/1.1, len(CNMax.columns)], ['無振り', '補正なし', '補正あり'], fontproperties=fp) plt.tight_layout() plt.show() fig.savefig(AName + "(" + WName + ") VS " + DName +".png")
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